事業承継成功のポイント―絶対にやってはいけない1つのこととその対応策

先日小学2年生の英語の授業を見学しました。担任の先生と英語専門の先生とのお二人での授業でした。小学2年生では今は月に2回ぐらい英語専門の先生の授業があるそうです。(外国語活動というそうで教科ではないようです。)
そして英語やプログラミングの授業が小学校から導入されるということで、これらは教育熱心な保護者の方々に人気の習い事となっています。ビジネスチャンスととらえる企業さまも多く、コンサルタントとしては新たな事業の企画立案などに関わらせていただくこともあります。
そんな中で実際の現場を見て感じたのは、全国一律に導入することがいかに困難かということ。先生は大変だなぁということ。多くの人種が使うコミュニケーションツールとしての英語はなまっていても当たり前だし、アクセントを間違うこともある。その他もろもろ。
幸いその時にはいらっしゃいませんでしたが、このような場面で間違いを指摘して騒ぎ立てる保護者の方もいるのだとか。言いたくなる気持ちはわからなくもないのですが、保護者と先生の間のルールとして絶対にしてはいけないと思っているのは、子供の前で先生の否定をすること。なぜなら、子供にとって先生は「先生」だから。

この話と事業承継がどうつながるのだ、とお思いのことでしょう。
実は、事業承継の現場でも、このような場面によく出会うのです。
後継者の方への事業の承継がうまく進んでいない企業さまでは往々にして、先代の社長さまが従業員の方々の前で現社長さまを否定するような場面に出くわしてしまいます。創業社長さまから二代目社長さまへの事業承継のケースで特に多くみられるように思います。ゼロから事業を立ち上げて承継する規模にまで育ててこられた創業社長さまからみれば、後継者の方のやり方にはいろいろ思うところがあって当然かと思います。けれども事業承継においては、従業員の方々の前で現社長の否定をすることは絶対にしてはいけない1つのことです。なぜなら、従業員にとって社長は「社長」だから。

学校教育の場面と違うのは、企業の事業承継ではこのような場面を招かないための対策が取れるということです。
それでは、後継者さまが先代社長さまからスムーズに事業を承継し、思い通りに手腕を発揮するにはどんな対策をしておけばよいのでしょうか。
①社長さまと後継者さまの事業に対する考えや想いのすり合わせをしっかりと行うこと。②引き継ぐべき内容の洗い出しを行い、後継者さまに実権を移すことの順番と時期を決めること。
③後継者さまが経営者として実務的な経験を重ね成長すること。
このようなさまざまな取組みを時には並行して、着実に、もれなく、計画的に進めていくことが重要です。
中小企業のスムーズな事業承継には10年~15年かかるともいわれています。
後継者がいる/いない。事業の承継を進めている/進めていない。
来るべき承継の時に備えて、御社の事業承継ステージにあった事業承継計画の立案からまずは取り組んでみてはいかがでしょうか。事業承継後に生じる会社にとって益のない争いを確実に減らすことができると思います。

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