若手金融マンのための「事業の目利きセミナー」を開催しました

~事業性評価シートの決定版!ビジネスモデル・グラスプで取引先の事業をつかむ~

金融庁が求める事業性評価に基づく融資を進めるにあたって、コンサルティング機能の強化が地域金融機関のみなさまの関心事となっています。具体的な取り組みとして、それぞれの金融機関が事業性評価シートを作成し、運用していると伺っています。
しかしながら、一通りの事業性評価シートの作成はできたが、取引先企業の事業性評価による融資はあまり進んでいない、各支店担当者が経営者との面談で情報を引き出せていないのではないか、事業性評価シートも実質的には運用難だ、と話される金融機関幹部の方もお見えでした。
そこでNBRでは、「事業の大枠を把握し、強み・弱みの糸口をつかむ」「経営者とのコミュニケーション力を向上する」ことを目的に「事業の目利きセミナー」を某金融機関様において実施させていただきました。
今回の「事業の目利きセミナー」は、金融機関様のご要望により製造業、建設業、飲食業の3テーマ(平日の午後、2.5時間/日*3日間)で実施し、各支店より選抜された若手の精鋭行員25名が受講いただきました。
セミナーでは、各業種の論点、業界特有の専門知識、課題などの講義の後、グループワーク(5グループ)を行いました。グループワークでは事例企業を取り上げ、社長役に扮したNBRのコンサルタントから会社の情報を引き出す演習をしていただきました。その後、グループ内で討議を行い、事例企業の事業性を評価し、グループ毎に発表していただきました。
この演習で活用していただいたのが、NBRのコンサルタントが経験をもとに練り上げた「ビジネスモデル・グラスプ」です。ビジネスモデルとは何かを「自社」、「顧客」、「仕入先」の関係でシンプルに理解し、経営者にヒアリングすべき内容や経営課題の気づきを得やすい仕組みになっています。ビジネスモデル・グラスプは、現在19業種作成済みで、今後さらに内容・業種を充実していきます。
多くの金融マンが苦手意識をもつ製造業の回では、製造業出身のコンサルタントが製造業用語や設備機械、生産形態などの解説を行ないました。独特の慣習がわかりづらい建設業の回では、顧問先に多くの建設業を持つコンサルタントから専門工事27種の工事内容、建設業許可、建設業のキーワードなどの説明を行ないました。受講者の方が担当先として関わることも多い飲食業では、業態、トレンド、店舗設備、飲食店の論点などの解説を行ないました。グループワークでは、実際に経営者の方とありがちなやり取りもあり、グループ討議もしっかり行っていただけました。発表では、事例企業の事業性評価について、グループごとに結論と理由が示されました。
セミナー後のアンケートでは、受講者のみなさまから「わかりやすかった」と概ね良好な評価をいただきました。
また「ビジネスモデル・グラスプは事業分析に有用か?」との質問には「とても役に立った 5名」「役に立った 20名」と高評価をいただいています。
受講者の方からは、「新店舗や開店・創業について知りたい。」「他の業種の内容も知りたかった。」とさらに多くの事例を学びたいとの声や「ビジネスモデル・グラスプを利用して業種の商流を理解できた点がよかった。」「実際に社長と対話しているようで良かった。」「ワークにもう少し時間が欲しかった。」「製造業の取扱が多いので、専門性が高く有用だった。」
「建設業の取引先多いが専門用語で理解できなかったが、今回、勉強になった。」
「飲食業のお客様が多いが、アドバイスに使えそうでした。」
「明日からの活動に活かして企業分析・事業性評価につなげたい。」
「様々なケースで教えていただき分かりやすかった。3回とも受講しやすく、ためになった。」とのお声をいただきました。
また、金融機関の責任者様からは、受講者の質問力がまだ足りないことが分かった、とのご感想をいただきました。
セミナー後に感じたこととして、受講者の皆様が本セミナーに真摯に向き合っていただという事です。感謝したいと思います。今回、3業種取り上げましたが、業種ごとの専門知識を有しないことが社長に質問する際の障害になっているとも感じました。「専門的なことは経営者に聞けば良い」というのが我々コンサルタントの認識ですが、若手金融マンの方の中には苦手意識があり、基本的な専門用語を学ぶことが有益であるという事もわかりました。
当社では今後も、地域金融機関の支店担当者様を対象に、「事業の目利きセミナー」を継続的に展開していきます。
経営者との対話ツールとしてNBRの「ビジネスモデル・グラスプ」全19業種を使った「事業性評価セミナー」にご関心のある金融機関様はNBR 蒔田までお気軽にお問い合わせください。

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