知識は体験を通じて本当の力になる

毎年、子供たちの三者面談に行かなければならないと、妻がカレンダーをにらんでいる姿を見ると夏休みが近づいてきたと感じます。今年は2人が受験を控えていることもあり、親としては進路選択についていろいろと心配することがありますが、高校受験を控える次男は受験生とは思えないほど余裕な顔をしています。
先日、彼から『バネ』に関する問題がわからないと質問を受けました。次男からの珍しくもうれしい質問に、私は久しぶりに家庭教師をしました。問題はいくつかのバネを並列につないだ時、直列につないだ時に、指定された地点にかかる重さを求めるものだったのですが、基礎的なバネの性質をもとに計算式を示した私の説明では「わからない」と言われてしまいました。その後もいろいろと説明したのですが、なかなか彼は納得できません。基礎知識はとりあえず覚えたようですが、なぜそうなるのかが腑に落ちないようです。私も彼の「わからないポイント」がなかなかつかめず、最後はバネに重りをつけて実際にやってみたところ、やっと彼は納得できたようです。この納得は、ただ公式として覚えた知識についても理解が深まったようです。この理解は本物だったようで、定期テストで出題された複雑なつなぎ方をしたバネの問題も回答することができ、結果も今までで一番良かったようです。今回の件で、必要な知識を暗記するだけではなく、実際にやってみることで本当に活用できる知識になることを改めて感じました。
私自身、仕事においても同じようなことが多々あったことを思い出します。会社員だったころ、先輩から教えられたことを失敗することがありました。しかし、実際にやってみて失敗した経験から改めて教えられたことの趣旨や意図を理解することができ、徐々に先輩が求めている仕事ができるようになっていきました。仕事で失敗することは良いこととは思いませんが、実際に経験しなければわからないことが多々あります。また、私が後輩に教える立場になったときには、自分の失敗した経験から「困ったり迷ったりするポイント」をつかんで教えることもできました。
中小企業診断士となり、自己啓発としてセミナーに参加する機会があります。眠くなりがちな知識向上がテーマのセミナーであっても、担当される講師が自分の実体験から説明されると聞いていて面白く、聴講後に思い出す機会も多いです。NBRでは多様な業種で活躍し、実践経験も豊富な専門家が支援機関向けに「事業の目利きセミナー」を実施しています。体験から得た知識を生かした「事業の目利きになる」講義をぜひ聴講いただき、実践してみてはどうでしょうか。また、NBRが企業訪問に同行して、独自に作成した「ビジネスモデル・グラスプ」を活用した実行支援もいたします。興味のある方はぜひお問い合わせください。

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中小企業診断士 梅村薫

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