ファンを減らさない「クレーム対応」の基本

先日、どうしても「名古屋名物味噌煮込みうどん」が食べたくなり近所の「手打ちうどん」店へ行きました。おいしいのでうどんが食べたくなったときは必ずその店を利用しています。平日の夜でもお客さんが途切れず入っている地域の人気店です。
小学1 年生と3 年生の子供と私の3 人で「味噌煮込みうどん」の「親子」2つ、「天ぷら」1つの計3点を注文しました。ここの「味噌煮込みうどん天ぷら」は天ぷらが別皿でついてくる結構なボリュームなので十分3 人で分けて食べられます。
さて、待つことしばし、最初に「味噌煮込みうどん親子」が1つ運ばれてきました。続いて「天ぷらうどん」が運ばれてきました。
「あれ?味噌煮込みうどんの天ぷらを注文したはずなんですけど?」
最初はテーブルを間違えたのかな?とも思い、とりあえず、主張。
「え、あ、すみません、すぐ作り直してきます。」とちょっと不満気な若い店員さん。
客席のすぐ裏の厨房へ引っ込むや否や
「天ぷらうどんって言ったのにー!」
丸聴こえですけど。
「作り直さなくていいです」って言ってあげる気はなくなりました。
2 つ目の「味噌煮込みうどん親子」が続けて運ばれてこないので不安に思い、注文の確認をすると「味噌煮込みうどん親子1つ」の注文になっていました。
別の若い店員さんがやってきて
「注文は復唱したはずですけど、」とおっしゃる。
オバサン、怒っていいですか??
素の状態で「2つ」を「1つ」と聞き違えた店員と、自分は2つ注文したと思って「1つ」を「2つ」と聞き違えた客ですよ?
そもそもクレーム対応の基本として間違っていますよね?
まず、お詫びでしょう?

スーパーなどで「お客様の声」を掲示しているお店がありますよね。
職業柄(?)結構気にしてみています。
お店や管理職やスタッフ管理のいろいろなことがすごくよくわかります。このお店への要望は商品に関することが多いな、とか、〇〇部門の接客に関することが多いなとか。この店の管理職の方は意識が高いな、などなど。

米国のある調査結果によると、どんな商品・サービスに対しても、購入された直後に40%のお客さまが不満を抱き、そのうちの4%のお客さまがその不満をクレームとして表面化させると言われています。
「クレームは必ず発生するもの」という前提に立ち、どのように対応するかでその後のお客さまとの関係が変わってきます。クレーム応対の基本は、まず「お客さまの気持ちを理解する」こと。クレームは会社やお店にとっても耳が痛いことですが、お客さまにとっても、わざわざ苦情として伝えることは気分の良いものではありません。

さて、件のうどん屋さん。
作り直しの「味噌煮込みうどん天ぷら」は比較的すぐに出てきましたが、最後の「味噌煮込みうどん親子」は延々と待たされてやっとでてきました。二人の子供も半分以上、食べ終わったころです。
運んできたのは2人目の店員さん「遅くなってすみません。」の一言もなし。うどんはいつも通り美味しかったのですが、モヤモヤしながらいただきました。
会計時は3人目の店員さん。
何も言われないので、何も言わずに会計を済ませたのですが、こちらのお店へはもう行かないかもしれません。
店主さんがちらっとでも顔を出して「すみませんでしたねー」の一言でもあれば違ったかもしれないなーととても残念に思ったのでした。

先ほどの米国の調査事例からすれば、クレームとして表面化するのは実に1.6%(40%の4%)であり、不満に思っても何も言わないお客様の方が圧倒的に多いのです。
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中小企業診断士 高木 富美子

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