事業復活のキッカケを逃していませんか?

054 年に数回、金融機関主催の経営相談会で相談員をさせてもらっています。その場でお会いする経営者の方は金融機関から誘われてお越しになる方が多いからか、あまり積極的に相談したいとは思っていないようにお見受け致します。しかし、それは当然のことだと思います。この短時間で同業者でもない人に相談して何かが解決できるとは思い難いし、過去の経験から言って、この手の相談で言われそうなことは想像もつくと言うところでしょう。そんな中で相談会はスタートしますが、最後には時間延長気味で終了致します。時間は短くても、何か1つ「来てよかった」と思えることをお持ち帰り頂けるようお話させて頂いております。
基本的なパターンとしましては、直近の決算書から財務状況の認識を共有したのち、根本的な解決というよりは確度の高い改善策を探し、具体的な行動計画を立てます。話の盛り上がり次第では後日、会社にご訪問させて頂き、より詳細な計画を立てることもあります。
経営者の方には、是非、このようなキッカケを絶好のタイミングだと思い、経営改善に向けて邁進して頂きたいと思います。会社経営を長くやっていれば、いい時もあれば悪い時もあります。改善しなければならない時に改善できず、やむを得ず今になって苦しい状況となってしまっている。そして、苦しいながらも何とか経営は続いているので、そのうち改善しようと思っているし、わかってはいる。しかし、そのまま放置しておけば終わりはやってきます。しかも突然に・・・。
経営相談でなくても、キッカケはいくらでもあると思います。日々、様々な方とお会いする中で、具体的なアドバイスでなくても、触発されたり、反省したり、気づかされたり・・・。頭の中ではわかっていても日々の忙しさの中で時間ばかりが過ぎていくことでしょう。しかし、このようなことは誰かが時間を切ってくれることではありません。キッカケを自分で作らなければ永遠に何もしないまま時間は過ぎてしまいます。「やむを得ない理由」は忘れ、本当にしなければならないことをして頂きたいと思います。後回しにすればするほど、打ち手は限られてきます。早期着手が肝要です。
そして、「突然に・・・」とならないためには、経営状況をいくつかあるポイントとなる数値で把握することです。1年でどれだけ儲けて、どれだけ返済しているのか。会社のお金はどのように回っているのか。これを把握する必要があります。
最後にもう1つ。どうして銀行は融資をしてくれるのか。どうして折り返し融資もしてくれるのか。これも重要です。理由がわかっていないとある日突然、次の折り返し融資が受けられなくなることもあります。そこでは、何か1つではなく、総合的な判断がされているわけですが、ギリギリの状態の今、何が最後の砦となっているのか予想がつきますか?「いつも通りの融資」、それには理由があるのです。
これから縮小経済に入る日本経済。弛まない経営努力が必須条件です。中小企業の経営者の皆様にはなんとかこの荒波の中を生き残って頂きたいと思います。そして、その支援ができるよう私も弛まない努力をしていきたいと思います。

税理士 安藤 正範

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