丁酉を迎えて

2017年が明けて早や1ヶ月が経過しましたが、改めて本年は旧暦では丁酉(ひのととり)です。丁(ひのと)とは「春先の陽気の終わり」を、酉(とり)の語源は「発酵」を意味するところから「機が熟する・発する・成る」との意味を示します。そこからくる解釈としては、「これまでの活動や取り組みに一定の成果が出てピークを迎える。その一方で、次なる段階に向かおうとする」年であると示唆されるといえます。

さて、そういった視点で、当社のコア領域である事業再生分野の動きを見渡してみると、暦に連動するかのように興味深い動きがみられます。

 

・日本政府による経済活性化策(日本再興戦略)に基づき、金融庁も「金融処分庁」から
「金融育成庁」への転換を図っている。

・金融機関に対しても「担保・保証に依存せず取引先企業の事業内容や成長可能性など
を適切に評価」する、いわゆる「事業性評価」の後押しが本格化した。

・昨年2016年には金融仲介の一層の質を高めるべく「金融仲介機能のベンチマーク」が
策定され、金融機関自らの取組み改善を促されている。

 

今年に入りますます各金融機関でも「事業性評価」への取組みが本格化してきています。ここ数年の動きに一定の結果が求められていると言えるでしょう。

ではこの「事業性評価」を受けて、とりわけ再生に取り組んでいる企業はどのように考え、どういった動きを取っていけばいいでしょうか。「事業性評価」というキーワードから考えてみましょう。

そもそも「事業性評価」とは、企業の成長可能性と持続可能性の両面から評価することです。成長可能性とは企業のビジネスモデル(儲ける仕組み)を意味し、持続可能性とは資金繰りの安定に不可欠なキャッシュフローの持続的な確保を意味します。例えば、非常に優れたビジネスモデルをもつが資金的な余裕がない場合には、金融機関側は事業性を評価して無担保・無保証で融資を認めるケースもあるでしょう。しかし、成長可能性・持続可能性ともに不安がある場合には、無担保・無保証で貸してもらえるとは限りません。要はどう「事業性を評価するか、評価されるか」であり、そのために金融機関と企業とのコミュニケーションがより重要になってきます。

ビジネスモデルの優位性や課題、経営改善の方向性、資金繰り状況や問題点などを金融機関と共有することにより、効果的な支援や新規融資につながる可能性が高まります。またこうした取り組みは、頑張る事業者にとって自身のビジネスモデルや課題を自己認識することができ、全体的な状況を俯瞰して次の行動につながる良い機会になります。

「丁酉(ひのととり)」である今年は、事業性評価への取組みが本格化し、企業の力を高めて、経営改善や持続的成長への新たなる段階に進む年となるでしょう。私たち名古屋事業再生合同会社も事業再生と事業性向上を取り組む皆様への支援に精進して参ります。

中小企業診断士 安田 健一

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