人手不足なら、機械でも採用しますか?

とにかく、人手不足である。業種を問わず、人手不足である。先日、顧問先の土木業の社長がベトナムに行くと言うので、旅行かと思い聞いてみると、「面接です!」と言う。数名の会社が1人もしくは2人の採用のために外国に行くようになったのだ。確かに建設業界の人手不足はひどいと聞く。今のこの状況の根本的な原因が生産年齢人口の減少にあることは、今や誰もが知っていることである。建設業界、IT業界でも同じ言い回しがされるのだが、「仕事はあるので、人がほしい」である。人と売上が直結する業種はこうなる。建設業専門の求人サイトも立ち上がり、そこで謳われている給料はびっくりするような金額になっている。そんな状態だから、引き抜きや独立の流れも発生している。
直接的にこれに対しというわけではないが、国の政策は生産性向上のため補助金や税制を講じている。ものづくり補助金の採択結果を見ると、建設会社のITを利用した生産性向上をテーマにしたものが見られる。先月のニュースで保育施設選考にAIを導入してこれまで数百時間要していた作業が数秒で割り振り完了、という事例があった。農業分野でのドローンやAIを活用した自動運転の発展も目覚ましく、かなり実用段階まで来ているように見受けられる。生産現場でも事務分野でも、人がやらなくても、もしくは、人が少なくてもやれそうなことがこれから相当増えてきそうな気配で、思ったよりも早く「AIの時代」を実感するようになるのではないだろうか。自分が思っているよりも開発のスピードは早く、法律もそれに向けて緩和されていく。いつか実用化されるのだろうなぁなんて思っていると遅れてしまいそうな気がする。ある種のワクワク感を抱きつつも、人は何をやるのかを考えると、そのAIを使う人になるのだから、AIを使える人にならなくてはならない。自分の身に置き換えると、AIレベルの話ではないが、電子マネー、Fintech、APIなどは業務ソフトに影響があり、管理面も含めると様々な便利ソフトが登場している。それらを使いこなすことが社内でもお客様に提供するサービス面でもマストであると考えている。差し当たり興味があるのが、プチAI?的なRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)である。これがどういうものか言うと.....という説明はさておき、とにかく、単純なというよりどんなに複雑でもフローチャートで描けるような仕事は、ソフトや頭のいい機械がやれば済むことになり、人は答えのないことや、あとは、頭のいいソフトを使っていかに生産性を上げた業務フローにするかというややこしい仕事をやっていくのだろう。自分の中に蓄積した頭の中にあるノウハウや体で覚えた技術をわざわざソフトや頭のいい機械に吐き出し、自らの仕事を消滅させていくのである。
話は戻り、人手不足。人が足りない、いない、のは常識というか、今はそういう環境で仕事をしなければならないわけであり、ならば、人を採用するのではなく、機械を採用するという時代かなと思う。もともと日本は先進国の中でも労働生産性が低いらしいし、中小企業の製造現場でも古い機械をずっと使い続け、ぜんぜん設備投資をしてきていない企業も多いと聞く。
ITというかAIというか、その発展の波は生活者としては楽になっても、仕事人としてはやることがかわるだけで楽はできないなぁ、という気がする。

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