飲食店の新型コロナウイルス対策~テイクアウト、デリバリー

新型コロナウイルスの収束はいまだ先行き不透明です。

多くの経営者の皆さまが感じていらっしゃる通り、収束したとしてもすぐに景気や自粛ムードが回復するわけではないでしょう。

飲食店にとって、テイクアウトやデリバリーは、避けて通れない、中長期的な視点で取り組んでいく課題と考えていただかなくてはなりません。

テイクアウト、デリバリーをするときに考えること①

【誰のどんなニーズに向けた商品か?】

ターゲット顧客としては、ご家庭向けとオフィス向けが想定されます。

ご家庭向けの場合、さらに巣ごもり需要(夕食・昼食)、買い置き需要(夕食・昼食)、プチ祝い需要(イベント時の外食の代わり)に分けて考えられます。

オフィス向けとしては、おもに外食に不安を感じる層に向けたランチ需要の増加が考えられます。

ご家庭向けの需要を狙っていく場合

巣ごもり需要:弁当や総菜、400円~1200円/人

買い置き需要:調理済み冷凍食品やチルド商品、通販とも競合、まとめて購入されることも多い

プチ祝い需要:お祝い膳、オードブルなど 2000円~5000円/人

ターゲットにとって適切な価格設定をするとともに、スーパーやコンビニまたは近隣のライバル店の動向をふまえた商品ラインナップを用意しましょう。

テイクアウト、デリバリーをするときに考えること②

【許認可に注意する】

テイクアウトやデリバリーに、中長期的な視点で取り組むというときに問題になるのが、法的な許認可の問題があります。

「飲食店の営業許可証」で販売できるものの原則

飲食店がテイクアウト、デリバリーでできる商品は、おかずがあり、ご飯がある「お弁当」状態のものです。

厳密にいうと、おかずだけを販売してしまうと、「惣菜製造業」という違う業種の申請・許可が必要になることもあります。

緊急避難的にテイクアウト、デリバリーをはじめたという事業者の方も多いかとおもいますが、どのような商品を販売していくかが決まったら、今後のために、一度最寄りの保健所に相談をされることもご検討ください。

テイクアウト、デリバリーをするときに考えること③

【食中毒のリスクに注意する】

これからの時期は食中毒のリスクが高まります。

飲食店ではできたての料理をすぐに盛り付けて提供していますが、「お弁当」は、温かいまま盛りつけ蓋をして陳列し提供することはリスクになります。粗熱をとって十分に冷ましてから盛り付けるなど、テイクアウト、デリバリーでは、「お弁当」用のオペレーションを準備して臨むことが必要になります。

With新型コロナウイルスの今を何とか乗り切って、新型コロナウイルス後へつなげていくために、知恵を絞って「今」できることに正しく取り組んで参りましょう。

中小企業診断士 髙木富美子

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