補助金事業は採択されてからがスタート

商工会議所や商工会から、事業再構築補助金の事業計画書作成の支援依頼を受けることがあります。支援内容として、事業者様自身で作成した事業計画書を一緒に確認しながらアドバイスをしていきます。それに基づき加筆修正をいただき、後日、再度確認してアドバイスをする。これを何度か繰り返し計画書を完成させていきます。

先日、支援をした事業者様から採択されたとのお礼の電話を頂きました。とても喜ばれていましたので、こちらも嬉しく思いました。

しかし、そこは支援者としてぐっと喜びを抑え、補助金の採択がゴールではなく、これからが始まりである趣旨のことをお伝えしました。

事業者様は一瞬沈黙の後、我に返ったように「その通りですね」とおっしゃいました。コロナ禍で厳しい中、新しい試みをチャレンジしようと事業計画を立てたわけで、今はそのスタートラインに立ったところであり、これからが事業再構築にむけた取り組みが始まるのです。

事業者さんは、これで補助金がもらえると浮かれていたところでしたので、釘を刺されて気が引き締まったとのことでした。確かに新しいチャレンジに補助してもらえるのはうれしいですが、自己資金も投入していることを忘れてはなりません。

今の補助金支援の大半は事業計画書を作成し、採択されたら報酬を受け取って終わりというようなものがほとんどではないでしょうか。この事業者様のように、これからの必要な支援は、採択後の新事業を構築していく段階での支援が真にコンサルタントが担うべき役割なのではないか、と感じました。

中小企業診断士 小竹繁夫

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