最近、企業や支援機関から話が多いのが、「補助金」あるいは「助成金」に関する事である。特に4月は「ものづくり補助金」の申請時期であり、各種補助金等の中でも問い合わせ件数が多い。
補助金、助成金とも、融資とは違い、そのどちらも原則国や地方公共団体から受け取ることのできる返済不要なお金であり(但し収益納付はある)本質は同じと考えても良い。
但し助成金が、国や地方公共団体が示す受給要件を満たしている場合は、原則だれでも受け取ることが出来るのに対し、補助金は、申請を出しても受け取れない場合があるのが大きな違いと思われる(採択方式)
企業を支援する立場としても、「補助金・助成金」は、企業にお金が入るものであるため、説明しやすく、また受け入れられやすい。実際、補助金、助成金を通じて企業を支援する方向性に行く事も多いので一度はお勧めしたい話ではある。
しかし、せっかく導入した設備が余り使われていないケースや、助成金がある種の資金繰りの一部に使われていると思われるケースを見聞きすると、果たしてこれで良いのかと思う事もある。確かに製造業等は、客先から細かい精度や納期短縮を要求される事が増えており、そのために新しい設備の導入が必要だという事は理解できる。しかし本当に生産性の向上のために導入した設備であれば、細々と稼働している事は無いはずであり、どこかで目的と手段が当初の予定とは違った形になってしまったのではないか。例えば1/2(または2/3)の補助が出る事から設備投資のルールが甘くなったり、補助金を獲得してとにかく新しい機械を入れる事が目的になっているケースもあるのではないか?
昨今は「補助金バブル」といえるほど、注目度が高いものであるが、あくまで技術、技能の向上や、社内体制の変革で生産効率を高め、利益を生み出すのが本筋のはずである。それを忘れないでいただきたいと思う。