皆さんは健康経営という言葉を聞いたことはありますか?
経済産業省も推進する健康経営とは「従業員の健康保持・増進の取組みが、将来的に収益性等を高める投資であるという考えの下、従業員の健康管理を経営的な視点から考えて、戦略的に取り組むこと」です。企業が従業員の健康づくりを経営的な視点でとらえ、戦略的に取り組むことは従業員や組織の活性化をもたらし、結果的に企業の業績向上につながります。健康管理は従業員個人だけでは難しい面もあり、会社全体でどう取り組むべきかを考えていく必要があります。
健康経営について検討するにあたって考えるべき項目は色々ありますが、中でも参考になるのは健康経営優良法人の認定基準です。(※下記の表を参照してみてください。)
メンタルヘルスや、定期健診、健康対策担当者設置など、様々な項目があるなかで、私が最も大切だと思うのが、経営者自身が健康診断を受けることです。労働安全衛生法で、「事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断を行わなければならない」と決まっています。従業員が1人でもいる場合は、規模の大小にかかわらず健康診断を受けさせなければいけません。企業の健康受診率を向上させるためにも、まずは経営者自身が率先して健康診断を受けることが大切だと感じます。
特に経営者が若い場合は、つい受けなくてもいいのではないかと思いがちです。また、経営者が率先して健康診断を受けなければ、その従業員はもちろん受けることはありません。ですが、思いもよらない病にかかるリスクはどんな人にとっても存在します。企業にとっても家族にとっても、はかりしれないダメージとなりますので、ぜひとも見直してみましょう。
我が家では、定期健診に加えて、2年に1回人間ドックを受けることを、家族のルールとしています。人間ドックをプライベートで受けようとするとお金もかかる上に、胃カメラなどは率先してやりたいと思うものではありませんが、「家族を守る」「仕事をする」うえでとても大切なことだと思っています。生きていく上で、働くことはもちろん大切ですが、まずは働くにあたって大前提となる「健康」について今一度考えてみませんか。
出典:健康経営優良法人認定制度(経済産業省)
中小企業診断士臼井知美