一年の計は元日にあり、と言われます。新年を迎え、今年の目標をいろいろと考えられた経営者の方も多いと思います。私自身、今年の目標を設定することを元日のイベントにしています。
さて、中小企業診断士としての業務を通じて、経営計画や経営改善計画の策定をサポートする機会がありますが、計画策定では、目標設定が重要なポイントとなります。
目標設定とは、「いつ」という時間軸を設定し、その時に自社の「ありたい姿」、つまり自分たちが望む会社の状態を決めます。この「ありたい姿」という定性的な目標が決まったら、それが具体的にどのような状態かを明確にするため定量的な目標(数値で示した目標)もあわせて設定します。目標は計画策定の趣旨にもよりますが、高すぎず、低すぎずと、決定するのがなかなか悩ましい作業になります。また、目標設定ができたと思っても、自社の現状を十分に把握できていないと、予定期間の設定によっては行動にかかる負荷が大きすぎて、達成が厳しくなってしまい、結果として目標を再検討することにもなります。
現状把握では、決算書や試算表から得られる数値データとともに会社の資産である人材、設備、会社のノウハウ、そして顧客や取引先について十分に現状を理解しなければなりません。収支等の数値は把握しているものの、大手取引先や優良顧客がいること、すばらしい経験、能力を持っている社員がいることなど、日常業務では当然のことすぎてか自社の現状=強みに気づいていない経営者がいらっしゃることをたびたび感じます。計画策定にあたり、まずは客観的な視点で改めて自社の現状について理解を深める作業をしてみてはいかがでしょうか。例えば自社内部の資源であるヒト、モノ、技術、ノウハウ、ネットワークの視点で考えたり、主要顧客の視点で考えたり、そのほかの取引先の視点で考えるみると整理ができます。この3つの視点はまさに自社のビジネスモデルを明確にすることにもなります。
今年も中小企業支援施策として様々なメニューが用意されています。こうした支援施策を有効活用するためにも、まずは自社の現在のビジネスモデルを明確にしたうえで、事業計画の策定に取り掛かることをお薦めします。名古屋事業再生合同会社が親身になってご支援いたします。
中小企業診断士 梅村薫