コンサルタントによる企業支援では、経営者さま・従業員の方々へのヒアリングを必ず行います。ヒアリングの際に、初めからみなさんが本音を語ってくださるとは限りませんが、おそらく、みなさんが思っていらっしゃるより多くのことをコンサルタントは聞いていると思います。テレビのワイドショーなどを見ていて、ご近所さんや元同僚の方「それ言っちゃう?」と思うことありませんか?基本的に人は話したがりなのだなぁと思います。意見を持っていればなおさら話したくなるのでしょう。コンサルタントには守秘義務がありますし、言わないとお約束したことは誰にもお話しません。その上で、会社が今より良くなるように調整役を務めます。
問題の解決にあたっては、経営者さまのお考えもいろいろですし、従業員の方々のお考えもいろいろで、一つとして同じ解答はありえません。けれど、とくに人事課題のコンサルティングに関わらせていただいている場合に「雇用者と被雇用者の間には埋められない溝がある」というお話をさせていただくことがよくあります。
はじめての従業員さんを雇用することになった時に感じた怖さ、従業員さんから家を建てたと報告を受けたときの嬉しさと若干の不安を感じた気持ち。従業員さんの背負う家族の生活も背負っていることに責任を感じる経営者さまの気持ち。従業員さん側にもそれぞれ理由のある不平不満はあるものです。それぞれの立場で会社をよくしたいと思う意見をもっていらっしゃる場合もたくさんあります。しかしそれらを本音でぶつけ合える関係を築かれている会社さまはなかなかありませんし、正論であればあるほど正面からぶつかり合った場合の衝撃は大きいものです。
・経営者と従業員が同じ未来を見ていない。
・従業員のモチベーションが下がっている。
経営者さまの本音と従業員さんの本音をすり合わせるためのツールとしても、経営計画書や人事評価制度は使えます。
直接言えないお互いの本音を、会社をよくする方向に活用するために、コンサルタント、意外に使えます。
中小企業診断士 高木冨子