危機を変革のきっかけに

先日新型コロナウィルス禍で2020年10月~12月に資本金1000万円~1億円の中小企業の経常利益の1割を補助金が占めるいびつな収益構造となっているとの記事が新聞で出ていました。新型コロナウィルスによる業績低迷の影響を、国が支給する持続化給付金や雇用調整助成金により補填する構造が統計的に表れたものだと思います。これらの公的補助が多くの企業や従業員を救ったのは間違いないと思います。実際我々が支援する企業でも、売上は減少しているが従業員の雇用維持や資金繰りはそれ程厳しくなっていないという企業もあります。
しかし企業はあくまでも本業で稼ぐのがあるべき姿であり補助金頼みの経営にならないようにする必要があります。今般のコロナ禍で業績悪化に見舞われた企業は公的補助に甘えただコロナの終息を待つだけではその先の成長は難しいのではないでしょうか。コロナ禍の終息見通しは未だ不透明であり変異種の拡大の可能性もあります、また公的補助の段階的な縮小やビジネスモデルを見直す意欲ある事業者への補助へ転換も進むと考えられます。今の時期にポストコロナに通用するビジネスモデルの構築に取り組んで頂きたいと思います。業種により様々な取り組みが考えられると思いますが、以下は私が考える取組むべき内容です。
・取扱製品やサービスの幅を広げる
・販路の開拓と分散
・仕入先、外注業者の開拓と分散
内部的には
・属人的な業務の標準化や機械化
・通信環境、情報共有のしくみを見直し働く場所に囚われない仕組みの構築

平常時には気づかなかった自社の弱点が有事には表出することが多く、経営環境が厳しい時は自社の変革の機会となり得るはずです。変革に取り組む中小企業に対して様々な公的補助が用意されており資金的負担を軽減する仕組みが活用できる可能性があります。今回の新型コロナウィルス禍で表出した自社の弱点を洗い出しそれに対し手を打ってもらいたいと思います。今行動を起こすことが、自社の生存や成長につながることは間違いないのではないでしょうか。

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