関係者の努力により、日本のワクチン接種率は急激に高まりました。可能なところから経済が正常化されることを、私は楽しみにしています。まだ、コロナ禍で旅行には行けませんが、以前、京都に行ってきたときのお話です。
家族がSNSを見ていたら、瑠璃光院のリフレクション写真(鏡面反射した写真)が目に留まり、トントン拍子で秋の京都に行くことが決まりました。ホームページで特別拝観の予約をしようとしたら、残念ながら予定日は満員。予約が取れないと、意地でも取りたくなるものです。何度も予約画面にアクセスしていたら、キャンセルされた枠を運よく確保することができました。
京都にある叡山電鉄で終点の八瀬比叡山口駅に行き、瑠璃光院へ。瑠璃光院といえば、紅葉が机に反射したリフレクション写真が特に有名です。
写真でよく取り上げられる撮影スポットに行くと、一眼レフカメラやスマートフォンをもった観光客で大混雑。順番がくると幻想的なリフレクション写真を撮るため、皆が不自然に低い体勢でカメラを必死に構えていました。
すぐにSNSにアップしている人はたくさんおり、この写真を撮るために多くの人が来ていることがよく分かります。
マーケティング的にこれは面白いと感じ、集客アップの手法について、瑠璃光院の立場で、次の視点で分析してみました。
「自分の強みをいかに打ち出し、どのようにアピールするのか」。
それは、「相手にどのような印象を与えているのか」。
そして、「相手にどのような行動を起こさせているのか」。
瑠璃光院はインスタ映えするリフレクション写真を前面に打ち出し、SNSの拡散を活用して閲覧者にアピール。「この写真はどうなっているの」との印象を与え、「ここはどこだろう」と閲覧者の注意を引く。そして、「その場所に行って、私も写真を撮ってみたい!」と思ってもらい、ホームページで予約をとってもらう。
このように新規客を獲得していると、勝手に分析してみました。私の行動も瑠璃光院の狙い通りかもしれません。ただ、インスタ映えだけでは飽きてしまいます。来てくれた観光客に他の魅力も打ち出し、トータルで当初の期待を裏切らないことも大事です。
実際に行くと分かるのですが、瑠璃光院の庭は手入れが素晴らしく、歩きながら京都の風情を体感することができます。リフレクション写真の他にも素晴らしい魅力があるということです。その結果、リピーター客も獲得できているのではないでしょうか。
私の分析どおりに瑠璃光院が意図して演出しているのかどうかは分かりませんが、結果として多くの人を魅了しています。私もそのような見せ方を是非学びたいと思います。
中小企業診断士:西田学