確か、大学に入学して間もないころだったから1991年か2年だと思うが、自分のモバイル生活はポケベルからスタートした。
いつでもどこにいても連絡を取り合える、言ってみれば常に誰かと繋がっている、という感覚を生まれて初めてポケベルによって知った。持ち始めた当初は便利なものだなぁと感心すると同時に、なんとなくソワソワして落ち着かなかった記憶がある。
ポケベルは今から考えるとおもちゃみたいな機能で、数字しか送信できないため(のちにカナ文字にも対応したが)、「0840(おはよう)」、「0843(おやすみ)」、「3470(さよなら)」、「0906=(遅れる)」といった語呂合わせでのやり取りが女子高生を中心に流行したことは、このブログの読者の皆さんならご存知だろうし、某ドラマの主題歌を思い浮かべる方も多いかもしれない。
この、ポケベル(正確には無線呼び出しサービス)を全国で現在も唯一展開していた東京テレメッセージが12月3日、来年9月末でサービスを停止すると発表した。1996年にピークに達し契約者数は業界全体で1,078万人まで膨らんだものの、携帯電話やPHSにおされて急激に減少したのが理由だそうだ。そりゃそうだろうと思いつつ、しかし現在も1,500人ほどの契約者がいるという点に驚いた。いったい誰が、と興味本位で調べてみると、その多くは医療関係者で、端末が電波を発しないことや建物の奥まで電波が届きやすい点などが評価されているらしい。なるほど危機管理としては一理あるのかもしれない。しかし端末の製造中止から既に20年が経過しているという点にまた驚いた。。
と、そんなことを考えていた矢先の12月6日、ソフトバンクの携帯電話サービスで全国的な通信障害が発生し、多くの人々が様々な不便を被った。総務省は電気通信事業法上の「重大な事故」にあたるとして、行政指導を含む対応を検討する考えを明らかにした。 小さな端末がほんの数時間沈黙しただけで重大な事故とは、なんとも脆くて危なっかしい時代になったもんだと思いつつ、ポケベル程度でワクワクしていた時代が懐かしくなった。
…以上、なんともとりとめのない内容になってしまったが、なんとなく最近思ったことでした。では皆さん、「3470-8181」
中小企業診断士 大越峡士郎