連日新型コロナウイルスによる経済活動への悪影響が報道されています。我々の支援先でも従来の支援活動は一旦後回しにしてもコロナ関連の資金繰り対応を最優先としています。
以下は関係先からヒアリングした現状の一例です。
・ケーブル・コネクタ製造業
中国現地法人の半数が操業停止している。在庫は確保していたが3月初め時点で納期遅れが避けられない案件が発生した。
・事務機械部品量産製造業
中国取引先工場が操業停止の影響で約2割、受注内示が減少した。好調期の支払いがこれからで不安あり。
・小型板金量産製造業
半導体業界が不調だが、コロナウイルスが原因とは言えない。キャンプ用品分野がシーズン前にも関わらず好調である。
・老人ホーム等介護福祉事業
名古屋市内の同業者のように感染者を出せば営業停止を言い渡される不安はあり。コロナの影響は物品が不足気味なくらいで今は殆ど無い。
・自動車部品ロット生産旋盤加工業
主力の中国向け1品番が在庫調整で月産1万2千の2月の受注内示がゼロとなった。3月は6千まで回復した。
・土木系防水工事業
高速道路など橋梁の保全改修の特需が発生し、単月売上げが昨年比倍増で非常に忙しい。社員又は当社の外注作業人員に、感染が発覚すると全員出入禁止を言い渡されるのではと不安あり。
・自動車部品板金試作業
1月まで好調だったが2月は前月比1/4程度しか受注できなかった。
・(住宅街立地の独立店舗)洋菓子ケーキ併設喫茶店
テイクアウトに特需が発生し、商品が直ぐに無くなってしまう。時々臨時休業にしてオーブンのフル稼働で生産に専念している。
上記のうち3社で資金繰り相談を受けました。3社ともリスケ中で通常は新規借入れ出来ません。
今のところ、1社は借入断念し、次の1社はメイン行から公庫誘導され公庫借入申請書は受理、残りの1社は申請受理後公庫から借入金額交渉の電話あり+メイン行へは短期資金繰り資料を提出し、保証協会のスキームで審査中と、状況は其々異なっています。
経営不調でも平時からメイン行とのコミュニケーション量の多い企業や、リスケ中だからと最初からあきらめず、素早く動けた企業は何とかなりそうです。落ち着きを取り戻した事業主さんに、冷静な資金使途、これからの売上予測や必要な運転資金など、事業継続に向けた事業計画の練り直しを引き続き伴走します。