ゴールデンウイークに飲みに行く機会があった。今年の春先から徐々に客足は復活してきているとは感じていたが、予約なしでは席がないほどの繁盛ぶりだった。何とか入店できた店も満席状態で、席に案内されて、まずはビールを注文しようとしたが、なかなか店員が来てくれない。店員を見つけて直接、声をかけても「少々お待ちください」とのこと。しばらくしてお通しを持って、大学生っぽい女性アルバイト店員が注文を聞きに来てくれた。忙しいだろうに、笑顔で「お待たせして、すいませんでした」とあいさつしてくれたので、早く飲みたくて少しイライラしていた気持ちもおさまった。忙しいことがわかりながらも、「最近は忙しい?」と聞いてみると、「おかげさまで毎日満席です」と笑顔で答えてくれた。続いて「スタッフ何人で料理を運んでいるの?」と聞くと、「今日は3人います」とのこと。ざっと見て客席が50席ほどのお店ではあるが「スタッフが足りないんじゃないの?」と聞くと、「いつもは2人でやっているので、まだ余裕のあるほうです。この仕事が好きだから、忙しくても楽しいですよ」と、やはり笑顔を絶やさず答えてくれた。その後、料理が出るまで時間がかかることもあったが、運んでくるスタッフ全員が笑顔を絶やさず接客してくれて、楽しい時間を過ごすことができた。やはりお酒を飲みながら話をするのは楽しい。
この3年間は感染予防のため、友人等と会う機会があまりなかった。また、SNSでのコミュニケーション、ネットによる会議など、顔を合わせて話をする機会が少なかった。我が家の長男は、大学生の3年間をネット講義主体で過ごした。大学は今後も長く付き合える友人を作る貴重な場と考えていたため、家でネット講義を受けている様子を見ていて、かわいそうに思うことがあった。そんな長男がこの4月から就職した。
実はゴールデンウイークの飲み会の話は、長男と一緒に飲みに行った時のことで、就職して1か月経ち、いろいろ話がしたかった。長男の話では、「新入社員の歓迎会も今年から復活して、同期や先輩といろいろ話ができた」「研修もわかりやすく、丁寧に教えてくれる」など、家では無口で部屋に籠ってゲームをしていることが多い長男が、上司や同僚とコミュニケーションできていることを知って安心した。また、話を聞いていると最近は大学の友達や高校の友達と飲みに行く機会も増えているようだ。若い世代はSNS等を有効活用しながら、彼らなりに友達を作り、連絡を取り合うなど十分交流する機会を作っていたようだ。
50歳過ぎの私は「今の若い人たちは」と思うこともあったが、飲み屋のスタッフや長男の話など、コロナを経験した若い世代は、私のような世代が思っている以上にしっかりしていて、コロナ禍でも現状を踏まえて自分たちなりに工夫して、行動できるすごい世代かもしれないと思うようになった。
仕事で関わる方々は、自分より年下の方が多くなってきた。年配者は若い世代に任せることに努め、若い世代の可能性を大切にしながら、彼らが行動しやすいように工夫することで、コロナの影響も関係なく、新しい成長機会を作ってくれることを期待したい。