最近の若い者は

今年度も2ヶ月を過ぎましたが、皆さんの会社には新入社員は入社されましたでしょうか。「若手人材育成」は、企業経営にとって大変重要なテーマです。「ソーシャルネイティブ世代」と呼ばれる今の若手をどう育成していったらよいか、お悩みの方は多いのではないでしょうか。

 ソーシャルネイティブ世代とは、幼少期からスマートフォンやSNSのある環境で育った世代のことを指し、諸説あるものの、現在16歳~24歳の若者が生粋のソーシャルネイティブ世代と呼ばれます。物心ついた時からスマートフォンやSNSに慣れ親しみ、「デジタルデバイスとの高い親和性」「対人関係や仕事に平等性・合理性を求める」などコミュニケーション方法や価値観において、ほかの世代とは違った特性を持っていると言われます。

時代を問わず活気や勢いのある企業では、若い従業員がイキイキと働き成果を出しています。ということは、マネジメント側(経営者・管理職)が、どのように若者と向き合い、力を発揮できる労働環境を整えていくか。その姿勢や取り組みにこそ、大きな問題や課題があるのではないでしょうか。

筆者が支援した食料品加工業K社では、若手育成に動画マニュアルを導入しました。人が人を口伝や身振り手振りで教育する従来のOJTと異なり、標準化された仕事内容を、タブレットやスマートフォンで、いつでも閲覧することができるように変革したのです。さらに若手には実際にロールプレイをさせて動画撮影し、本人にフィードバックすることで、マニュアルとの違いを、感覚だけではなく目で見てわかるようにしました。

また、業務連絡や報告にはLINEを使用することにしました。文字だけでなく動画も活用し、情報をリアルタイムで共有できる体制も整えています。ソーシャルネイティブ世代に適した業務管理の手法を取り入れることによって、若手人材が成果を上げつつあります。

紀元前2,000年頃に、現在のトルコにあった古代ヒッタイト王国でも、粘土板で作られた書簡に「最近の若い者は・・・。」といった現状を嘆く言葉が書かれていたという流説があります。いつの時代も年長者は、ネガティブな意味を込めてこのように語りがちです。

太平洋戦争で海軍を率いた山本五十六はこんな言葉を残しているそうです。

「実年者※は、今どきの若い者などということを絶対に言うな。なぜなら、われわれ実年者が若かったときに同じことを言われたはずだ。だから、実年者は若者が何をしたか、などと言うな。何ができるか、とその可能性を発見してやってくれ。」

(※実年者とは50歳代~60歳代の年齢層を指します。)

このブログを読んでいる皆さんも、いつの間にか、「最近の若い者は・・・。」などと、口にしたりしていませんか。

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