大学受験で感じた変化の必要性

子供が大学受験に臨んでいる。先日、出願締め切りが迫り、慌てて親が手伝うことになった。手伝うなかでふと、自分が受験生だったころを思い出し、今の受験と大きく違っていることに気づく。

30年前の大学受験と現在を比較すると、そもそも受験に向けた情報収集や学習方法が大きく変化している。かつては受験雑誌や赤本が主流だったが、今ではスマートフォンやパソコンを使い、オンライン講座やAIを活用した学習が一般的だ。願書提出も郵送からWeb出願が主流となり、試験結果もオンラインで即座に確認できるようになった。このように、デジタル化と効率化が進み、受験生は新しいツールを活用する柔軟性が求められている。自分の時は、参考書が必要以上に入って重いカバンを持って図書館で友達と一緒に勉強した(実際は友達と遊んだ)記憶が懐かしい。

こうした変化は、中小企業の事業運営にも共通する。例えば、30年前は対面営業や紙の広告が中心だったが、今ではSNSやWeb広告を活用し、オンライン上で顧客を獲得する企業が増えている。また、店舗販売だけでなく、ECサイトを活用して販路を広げる企業も多い。さらに、クラウド会計やリモートワークの導入により、業務の効率化とコスト削減が可能になっている。一つの例として、勤務シフトなど経験のある担当が悩みながら作成していた書類作成もAIを使えば簡単に作成することができる。今は多様な個別の課題解決をAIがサポートしてくれる時代となっている。

大学受験の変化と同様に、中小企業も時代の変化を敏感に察知し、新しい技術を積極的に取り入れることが不可欠だ。デジタル化の波に乗り遅れた企業は競争力を失いかねない。人材不足や資材価格の高騰など外部環境の変化が続くなか、中小企業は変化を見据えて、柔軟に適応、最新技術を活用していくことが必要であることを感じた。

中小企業診断士 梅村 薫

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