木を見て森を育てる

名古屋事業再生合同会社は、様々な経験やキャリアを持つ中小企業診断士や税理士、社会保険労務士などのコンサルタントから構成されています。メンバーの中で比較的若い私は、他のコンサルタントとともに仕事をすることで、多くの成長の機会を得ています。

ウィキペディアの言葉を借りるとコンサルティングとは、「企業などのクライアントに解決策を提示して、その発展を助ける業務を行うこと」となっています。コンサルタントである我々は、解決策を提示して企業の発展や成長を支える存在といえます。

一般的には、ここで言う「企業」=「経営者」となることがほとんどです。企業の代表である経営者との対話やヒアリングから示される経営者の問題認識に加えて、従業員の声や事業上の数値・データなどをもとに企業の本質的な課題を抽出していきます。背後にある目的は、多くの場合「利益を高める」、「借入金を返済する」といったものになります。

名古屋事業再生合同会社は、その名の通り「再生」を支援する組織です。では、「再生=利益を高める」あるいは「再生=借入金を返済する」でしょうか。

再生=経営改善ではありません。経営者の声や悩みに耳を傾け、思いを形にすることは、とても重要なことです。利益を高めることやわずかでも借入返済の歩みを進めることなど、経営者のそうした願いにお応えすることも非常に大切なことです。

しかしながら、リストラや合理化など短期的な改善手法で利益をあげ、借入返済をより早く進めることができたとしても、それだけで、本質的な意味での「再生」が成し遂げられたと評価することは必ずしも適切ではありません。

企業を取り巻く地域の状況や環境、文化、業界の歴史や背景など、企業は企業市民として社会性を追求する存在でもあります。従って「再生」支援を行うコンサルタントは、企業を考える時、地域における存在意義や事業が永続することの意味を考える必要もあります。

企業が永続するために利益やお金を生み出しつづけることは必要不可欠です。しかし「再生」という意味では、企業の再生だけでなく、時として「地域の再生」にも大きく関わります。再生コンサルタントには、企業が、何のために、どのような形で地域に根差し、ともに永続するかをイメージできることが求められます。

当社には木を見て森を育てられるコンサルタントが多くいます。私どもは、あなたの木を素敵な森にするためのお手伝いをいたします。私自身まだまだ小さな木の芽でありますが、森を育てられる存在になるために努力していく所存です。

中小企業診断士 横山博昭

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