令和1年10月より、消費税が10%に上がりました。消費税は企業が一時的に預かっているだけのものですから、10%に上がっても企業の利益は変わらないはずです。
あわせて事業者が発行する請求書に「軽減税率の対象品目である旨」及び「税率ごとに合計した対価の額」を明記することを求めています。
また、飲食店を中心に複数税率を扱う会社は、レジ等の改修を行う必要がでてきます。これらに関しては、補助金がありますが、全額を補助金で賄う事はできないので、企業の持ち出しになり、事務負担も増加します。
消費税に関しては、2023年からインボイス制度も始まります。「インボイス方式」は、課税事業者が発行するインボイスに記載された税額のみを控除することができる方式であり、免税事業者は「インボイス」を発行できません。取引先も免税事業者からの仕入れについて仕入税額控除ができない事になります。
例えば、フリーランスや個人経営の場合、課税売上が1,000万円を超えなければ、消費税納付の義務はありませんでしたが、免税事業者だと取引先が納付する消費税が増加するため、課税事業者への選択を迫られる状況になるかもしれません。
(ただし、中小・小規模事業者への悪影響が大きく混乱が見込まれる場合には、一部経過措置を講ずる可能性があるとされています)
税制以外でも、「働き方改革」が中小企業でも本格化します。主だったものとして2020年4月より、時間外労働の上限規制、2021年4月より同一労働同一賃金が始まります。
特に同一労働同一賃金は、正社員とパート等社員の条件格差の解消を目指したもので、例えば、パート社員という理由のみで、通勤費等の各種手当、賞与等を払わないのは違法になります。当然何らかの対策を講じる事が必要となり、おそらく人件費の増加は避けられないと思われます。
一例を挙げましたが、税金や社会保障に関しては知らなかったとか、後回しにするでは済まされません。今後の企業経営を考えていく場合に、企業の負担が増加する事もあるかもしれません。そのためにも情報の収集に気を付け、企業負担のリスクを考慮した形での計画策定をお勧めします。